お問い合わせ サイトマップ TOPへもどる
前田畳製作所

スタッフブログ  |前田畳製作所 (神戸)

前田畳製作所 スタッフブログ
前田畳製作所 イベント情報

自分たちの枠から少しはみ出して、スタッフが体験したこと、見たこと。
ひょっとしたら畳と関係のないようで、あるものも。

文・カキビトシラズ(西宮店スタッフ)
2017年09月14日
001 伊賀・組紐体験
気品のある質感
組紐と言われて、着物を着たことがない私は、実際のところピンと来ていなかった。
組紐体験をすることになり、少しは予習して行けば良さそうなものを、なにも知らない、良く言えば真っ白な状態で訪れた。
お邪魔したのは伊賀上野にある「廣澤徳三郎の店」



まずは伊賀組紐の歴史だが、お店で聞いたこと、帰ってから調べたことを要約するとこんな感じだ。
奈良時代には日本に存在していたと言われる組紐。
時代と共に、王朝貴族の衣服、武士の武具、茶道具の飾り紐など活用の場を拡大変化させつつ、戦国時代には刀剣の下箱の飾り紐として需要が急増した。明治の廃刀令により、一度は衰退の道を歩んだが、その後和装に用いる帯締めとして定着して行った。
そして初代廣澤徳三郎氏が、江戸で組紐の技術を学び、伊賀上野の地に持ち帰り開業されたのが明治35年。そこから伊賀組紐の歴史が始まったのだそうだ。

住宅街に現れる朱い壁に黒い格子窓。由緒あるお店の雰囲気を醸し出す外観は、観光客なら思わずカメラを向けたくなるだろう。
お店に入ると、畳半帖分ほどの大きさの、高台という名の組台が置かれていた。
さほど広くはない店内の奥半分には、帯締めだけでなく、組紐ネクタイや、髪飾り、ポーチや印鑑ケースなどの雑貨類が並んでいる。どれもこれも色合いが美しい。

ごく一部分しか見ていない私が組紐製品に持った印象は、気品のある質感、形状は古風でありながら、色合いや柄がモダンで洒落ていて個性的。同居しづらい表現の羅列だが、どれも省くのは難しい。

店内には、作務衣を着た、職人気質とは真逆のような、笑顔の気さくなおじさんがいた。店内とは言ったが、ここは工房という方が正しいのかもしれない。
店内の写真撮影の可否をお伺いすると、その高台の中央に座って、実演して見せてくださった。
てっきりこのおじさんは、客が来るといつもこうして見せてくれるのだろう、くらいに思っていた。…しかし、そうではなく、我々はただただ運が良かった。
なぜならこの方こそが3代目廣澤徳三郎氏であって、滅多にお店に立たれることはないそうだ。しかし、話はお好きなようで、飾ってある写真や製品の説明もしてくださった。帯締めを皇室に献上されたこともあるそうだ。作務衣もあまり着られることはなく、たまたま先客のカメラマンの為だったそうだ。ほんとにラッキーな日だ。



8本の絹糸に、少しばかり苦戦する

そしていよいよ組紐体験だが、こちらは奥様が指導して下さった。組台にも種類があるようで、体験は初心者向けの丸台での製作だった。
丸台というのは、真ん中に穴の空いた丸い上板と、下板を、数本の足で繋いであり、上板の真ん中から糸が出て、板の周辺にその糸を巻きつけた錘玉がぶら下がっている。

実際には、糸の本数や色をもっと増やして複雑な組み方や柄を作られているのだが、今回は8本の糸で。 恐らくそれが初心者でも混乱せずに出来る本数なのだろう。

ちなみに8本と言っても、それら1本1本は非常に細い糸が何本も束ねられている。 8本の内訳は2色の色2本ずつと金糸が4本だった。絹糸である。それを、向こうに手前に、右に左にと、両手を使って2本を同時に移動させていくと、紐が組まれていき、真ん中の穴の下に垂れ下がっていく。
穴の下にも錘が下がっているので、なにも力を加えなくとも紐は締まって行く。 言葉で説明すると簡単そうだが、初めてだと、よそ見をしたり、喋ったり、集中していないと次の手の動かし先が分からなくなってしまう。
今回は体験ということで、キーホルダーを製作させて頂いた。時間にして20分くらいだろうか。

別のお店の体験ではブレスレットを作らせて頂いた。 こちらも丸台で、工程は同じだった。
体験のあとで、組紐に関するお話をいろいろ聞かせてくださった。



伝統産業として盛んだった組紐も、服装の変化や機械の導入により、手組みの作り手も随分と減ったそうだ。 職人や内職の方が高齢化しており、後継者不足とのこと…。

お話を聞いて、ふと我に返る

趣味で組紐をされる方はいても、内職となると、賃金の関係などもあって次の担い手が不足しているらしい。 しかし、手組みと機械で組んだ帯締めとでは使い心地に違いがあり、手組みの帯締めは伸縮性があって、締めやすく緩みにくいらしい。

それがなぜ機械では出来ないのだろうかと思ってしまうが、それこそが職人技ということなのだろう。
普段は便利なネット社会の恩恵を受けまくっている私であるが、このような、実際に見て触れて使ってこそ違いがわかる製品が遠くない将来なくなってしまうかもしれないという現状をじかに聞いてしまうと、複雑な気持ち、などというのはおこがましい気はするが、ふと我に返る感覚になる。

今回の体験は、足を延ばした甲斐があった。
はじめて知ることだらけだった。
そして体験をして欲が出て来てしまったで、もう少し複雑な柄や形状の紐にも挑戦出来ればと思っている。

【 廣澤徳三郎工房 (ひろさわとくさぶろうこうぼう) 】

 住所:〒518-0878  伊賀市上野西大手町3635-1
 TEL:0595-21-1127 / FAX:0595-24-3355
 HP:http://www.ict.ne.jp/~toku-3/

 
お問い合わせ
 
カード決済のご利用が可能 前田畳製作所
 
たたみの金額について
前田畳製作所について
会社概要
前田敏康が目指すところ
“ていねいに”の実践。
畳納入実績
メディア掲載
イベント情報
求人情報
お問い合わせ
 
前田畳製作所の畳について
畳替え・表替え
置き畳
カラー畳
国産畳 和らぎや
柔道畳 三四郎
 
三木工場せ兼店舗専用サイト 三木 三田 加東 小野 笹山エリアの皆様へ
 
前田畳製作所のオンラインショップ
 
キッザニア甲子園での3日間2016 イベントレポート
 
夏休みの工作に。ミニ畳を作ろうキット販売中。
 
前田畳製作所 ワークショップやります!
 
イベント・催事・講習会など。畳レンタルします。
 
前田畳製作所 カビやダニにも効果あり!加熱乾燥サービス
 
5日で5000枚の約束。
 
 
業者の方へ。前田畳製作所オリジナル畳表のカタログをご用意しています。
 
飲食店・旅館のお客様へ
 
幼稚園・保育施設のお客様へ
 
前田畳製作所 寺社・仏閣のお客様へ
 
お問い合わせ
 
ページの先頭へ  
前田畳製作所 会社概要 前田畳製作所 リンクについて 前田畳製作所 プライバシーポリシー 前田畳製作所 パートナーの紹介 特定商取引法に基づく表示
前田畳製作所
前田畳製作所 Copyright2009MAEDATATAMISEISAKUSHO All Rights REserved.